III. 5. 結納(2)…相場と体裁




さて、本格的な【結納】では、お送りするお品のリストも作らなければなりません。【目録】と呼ばれるものです。今では、結納業者さんのもとで所定の書式が用意されていたりしますので、それを活用すれば問題ありません。なお、差出人指名及び宛名氏名は、現在では一般的に新郎新婦ご本人のお名前を認めることになっています。旧来は、親を立てるスタイルが採られていました。また、書式の一行目は空白となっています。ここは結納金をリストアップする項目となっています。新郎から新婦へ差し出す場合は、【御帯料 壱封(おんおびりょう いっぷう)】と認めます。また、指輪も贈る場合は、【御帯料 結美和付壱封(おんおびりょう ゆびわつきいっぷう)】とします。また、現在のように、指輪だとか時計などの記念品だけで結納を済ませる場合には、【結美和 壱個】・【登慶恵 壱個】とします。

さて、この結納は、その名目は、「これまで新婦花嫁を育ててくれたご両親」の労に報いるための贈り物ということですが、実質的には嫁入りの支度金として充当してもらうというのが一般的になっています。結納への【御返し】は、新婦花嫁からの【結納返し】や式当日にご両親が用意する【御土産】を以て代えられるところです。

【結納返し】では、先の結納【目録】に対する【受書】と結納返しの【目録】を添えます。書式や体裁については、上記を参考にしてください。なお、新郎花婿への贈り物については、【御帯料】ではなく【御袴料(おんはかまりょう)】と認めます。【結納返し】対しては、新郎花婿側から【受書】が差しだされます。

【結納】・【結納返し】の過程では、【家族書】や【親族書】も添えられます。ただし、書式や親族の範囲については、確固たるルールというのはないようです。業者・仲人さんなどのアドバイスを仰ぐのがいちばんです。

なお、【結納】の相場は、現在では月収額の3倍程度、もしくはボーナス一回分が基準となっています。【結納返し】や【御土産】については、【結納】の半額から三分の一程度が相場となっています。

以上は、【結納】についての伝統的なマナーです。現在的な婚礼スタイルを進めるうえでは、このことをふまえて要所要所で、「本来は…すべきところですが、私どもでは…」と一言添えることで、古風な方には身勝手とも映りかねない行動が、翻って美しいマナーを伴ったものにもなりえるのです。

【結納】を巡るマナーについては、挨拶や向上についても気をつけるべきことがありますが、これ以上紙面を割くことは叶いませんので、割愛させていただきます。訪問のマナーについては第I章の内容を是非とも参考になさってください。

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